かぼちゃは、丸ごと保存すると比較的長く持たせることができます。
しかし、切ってしまうと傷みが早く進み、冷蔵庫に入れても1週間程度で食べきる必要があります。
一方で、丸ごとの場合は保存期間が長くなるものの、中身の状態が確認できないのが難点です。
外見は変わらなくても、切ってみるとワタの部分が腐っていることもあり、過信は禁物です。
かぼちゃのワタは特に傷みやすいため、一般的には丸ごとで2〜3カ月程度が保存の目安とされています。
半年も保存できるのは、よほど適した環境で管理した場合に限られるでしょう。
それでも、保存に失敗して腐らせてしまうことがほとんどです。
特にヘタの部分が柔らかくなってきたら、傷みが進んでいるサインなので、できるだけ早く食べるのが賢明です。
また、かぼちゃは収穫後すぐに食べるとあまり甘みがありません。
風通しの良い涼しい場所(10〜15℃程度)に3週間〜1カ月ほど置いておくことで、甘くて美味しいかぼちゃへと変化します。
しかし、一般の家庭でこの温度環境を確保するのはなかなか難しいものです。
特に、かぼちゃの収穫時期である6〜9月は気温が高いため、自宅で長期間保存するのは厳しいかもしれません。
農家では「低温貯蔵庫」と呼ばれる設備を使い、適切な温度と湿度で管理しているため、長期保存が可能なのです。
冷蔵庫での保存も考えられますが、風通しが悪いため、かぼちゃにとってはあまり適していません。
かぼちゃの長期保存は丸ごと?ワタの腐敗に注意
かぼちゃは他の野菜に比べて長持ちしやすいですが、生鮮食品である以上、無限に保存できるわけではありません。
丸ごと保存すれば長持ちするものの、ワタの部分が先に傷みやすいという問題があります。
見た目には問題がなくても、中を開けたらワタが腐っていることも珍しくありません。
せっかく保存しても食べられなくなったら、もったいないですよね。
かぼちゃを長期間保存するためには、ヘタの状態をよく観察することが大切です。
乾燥しているヘタなら比較的長持ちしますが、柔らかくブヨブヨしていると、すぐに傷んでしまう可能性があります。
この場合は保存を諦め、早めに食べるか、切って冷凍保存するのが良いでしょう。
また、ワタの部分が傷んでくると、ヘタ周辺を押したときに柔らかさを感じることが多いです。
この変化に気づいたら、早めに食べるようにしましょう。
カットして冷蔵保存する場合は、種とワタをしっかり取り除くことで、少しでも長持ちさせることができます。
長期保存できるかぼちゃの品種とは?おすすめ品種を紹介
かぼちゃと一口に言っても、実はさまざまな品種があります。
スーパーでよく見かける「西洋かぼちゃ」は、ほくほくした食感と甘みが特徴的です。
また、日本かぼちゃなど、異なる種類のかぼちゃも流通しています。
それぞれの品種の中には、特に長期保存に向いたものも存在します。
長期保存向きのかぼちゃ① 雪化粧かぼちゃ(白皮かぼちゃ)
一般的な緑色の皮とは異なり、白っぽい外皮を持つかぼちゃです。
「栗かぼちゃ」の一種であり、西洋かぼちゃの仲間に分類されます。
長期保存向きのかぼちゃ② ロロン
アーモンドやラグビーボールのような楕円形の見た目が特徴的です。
こちらも西洋かぼちゃの一種で、スイーツのような甘みがあります。
名前の由来は「ロマン(育成者の名前)」と「マロン(栗のような味)」を掛け合わせたものだそうです。
長期保存向きのかぼちゃ③ バターナッツ
ひょうたん型のユニークなフォルムで、皮の色はオレンジやベージュ。
「日本かぼちゃ」に分類され、ピーナッツバターのような風味が特徴です。
ねっとりとした食感で、スープやデザートにぴったりの品種です。
これらの品種は、通常のかぼちゃよりも長期保存が可能で、夏に収穫したものが年末〜年明け頃まで持つと言われています。
家庭菜園を始める際は、こうした品種を選ぶと長く楽しめるかもしれませんね。
農家のかぼちゃ保存方法とは?専門家に学ぶポイント
農家では、かぼちゃの保存に「キュアリング」と呼ばれる処理を行います。
これは、収穫後に一定期間乾燥させることで、ヘタの切り口をしっかり乾燥させ、腐敗を防ぐための作業です。
また、追熟させることで甘みを引き出す効果もあります。
キュアリングの適温は25℃程度で、日陰で1〜2週間ほど乾燥させるのが理想的です。
ただし、雨に濡れるとカビが発生しやすくなるため、「雨が当たらず涼しい場所」で行うのがポイント。
直射日光も避け、玄関先などで乾燥させるのがよいでしょう。
農家では倉庫にかぼちゃを置き、扇風機を使って乾燥させることもあります。
また、保存する際は地面に直接置かず、スノコや新聞紙の上に並べると長持ちしやすくなります。
重ねずに1つずつ並べるのが理想ですが、スペースの関係で難しい場合は、ネットに入れて吊るす方法も有効です。
その後、長期保存する場合は、15℃程度の雨の当たらない場所で管理します。
温度が高いと追熟は進みますが、同時に傷みやすくなるため注意が必要です。
また、保存前にかぼちゃを水洗いすると、ヘタのくぼみに水が溜まりやすく、腐敗の原因になります。
汚れが気になる場合は、乾いた布や新聞紙で拭き取るのがベストです。
まとめ
かぼちゃは丸ごとの方が長期保存に適していますが、基本的には2〜3カ月が目安です。
保存する際は、風通しが良く、湿気の少ない10℃前後の涼しい場所を選びましょう。
品種や保存環境によっては半年ほど持つこともありますが、過信せず早めに食べるのが安心です。
また、長く楽しみたいなら、長期保存向きの品種を選ぶのも一つの手ですね。